診療放射線技師とは?仕事内容と目指す時に知りたいことまとめ
医療系のドラマや漫画で注目された「診療放射線技師」がどのような仕事なのか知っていますか?名前は聞いたことあるけれど、どのような仕事か具体的に答えるのは難しいですよね。
この記事では、診療放射線技師の仕事について詳しく紹介します。放射線技師になるまでの道のりや給料なども合わせて紹介しているので、将来の職業として「診療放射線技師」を目指す時のヒントになれば嬉しいです。
5分で「診療放射線技師」について知れる記事です。ぜひ最後まで読み進めてください。
アイキャッチ画像出典:「https://pixabay.com/vectors/doctor-xray-skeleton-radiologist-5919738/」
病院や診療所で医師の指示をもとに放射線を使い検査や画像診断、治療に携わる仕事をしていて、「レントゲン」「CT」「MRI」といった検査などは全て診療放射線技師が担っています。
放射線を取り扱うには特別な注意が必要なので、医師と歯科医師以外に人の体に放射線をあてることが認められているのは「診療放射線技師」だけ。まさに、放射線を取り扱うスペシャリストといえるでしょう。
診療放射線技師は、放射線を使わない場合でも画像診断に関する検査を行うことができます。
診療放射線技師は主な仕事として、放射線を扱った「治療」も行っています。
検査や治療の他にも、「放射線量の管理」や「機器の点検」なども診療放射線技師として大切な仕事の一つです。
放射線による健康被害を出さないために、検査時に患者が浴びる放射線量を管理したり、機器や装置の点検などを行っています。
また、診療放射線技師免許を取得する国家試験は知識があれば誰でも受験できるというわけではありません。
国家試験の受験資格の条件は、文部科学大臣、厚生労働大臣、都道府県知事が「指定」または「認めた」診療放射線技師の養成所で、3年以上診療放射線技師として必要な知識及びスキルを修了した人
つまり、国家試験の受験資格を得るには、大学や専門学校といった指定の養成校で3年以上勉強する必要があります。
国家試験は1年に1回で2月に行われ、診療放射線技師の国家試験の合格率は「75〜85%」ほどといわれています。
一般企業で働くことを除いては、勤務先によって診療放射線技師の仕事内容は大きく変わりません。
しかし、それぞれの働く場所によって教育体制やワークライフバランスの取りやすさに違いがあるので、自分の希望に沿った働き方ができる施設がどこか考える必要が出てきますね。
また、総合病院の放射線科は技師の育成方針がしっかりしているので、最初の数年で段階を踏みながら診療放射線技師が行う全ての検査を経験することが可能。
国立病院や大学病院などの大きな病院であれば、最新の診療技術に触れることができるのも魅力の一つです。
ただ、急病患者の検査や治療に備えて、月に数回の当直があり仕事とプライベートのライフバランスが取りづらいかもしれません。
婦人科の場合は乳房X線撮影、整形外科の場合は骨密度検査など、診療科目によって検査に偏りが出ることもあるでしょう。
診療所で働く人数が病院よりも限られているので、本業以外の事務作業を任されることがありますが、一般的には残業が少なく当直もないので働きやすいといわれています。
場合によっては、施設内だけではなく検診車で企業や学校を回って働くこともあります。
大きい病院の健診だと最新機器を使いながら高度な専門性を求められる検査に携わることもできますね。
残業が少なく仕事とプライベートのライフバランスが取りやすいです。
アプリケーションスペシャリストは、医療機器メーカーの営業が製品について説明しきれない部分を専門知識をもとに説明のサポートを行う人のこと。
医療機器の使用方法を説明したりデモンストレーションを行ったりして、専門知識や経験を活かしながら働くことができます。
その他の一般企業としては、電力会社や原子力関連企業、大学の研究室などで働く診療放射線技師もいます。
参考:「診療放射線技師の求人・転職支援サービスの診療放射線技師JOB」
診療放射線技師の平均年収は350万〜550万円の人が最も多いのでそちらを目安にすると良いでしょう。管理職になると年収が500万〜700万円になります。
また、20代前半の平均年収は389万円、20代後半の平均年収は433万円です。診療放射線技師の給料は勤続年数の長さや、昇給によって大きく異なってくることが分かります。
勤めたばかりの時は年収が低くても、勤続年数が長くなるほど、昇給が見込めるので年収が高くなりますね。
診療放射線技師は、放射線を扱う仕事なので被曝のリスクはあります。しかし、安全管理をした上で業務をしているので被曝の危険性は低いです。
なぜなら放射線は一定量を一気に被曝するとリスクが高くなりますが、「量が少ない時」や「長い時間をかけてゆっくり被曝する時」は大きな影響はないからです。
毎日放射線を取り扱う仕事とはいえ、放射線の被曝について過度に心配する必要はないでしょう。
「診療放射線技師免許」を取得に向け国家試験を受験するには、高校を卒業後、診療放射線技師の養成校に進学して決まったカリキュラムを修了する必要があります。
診療放射線技師の養成校は「4年生大学」か「3年生専門学校」の2つ。診療放射線学科、放射線技術学専攻などという学科でカリキュラムを修了します。
診療放射線技師に必要な知識やスキルを養成校で学ぶだけではなく、実習先で実際に医療現場を体験したり、先輩の診療放射線技師と関わり将来の技師像を描くことができます。
診療放射線技師の養成校については「全国診療放射線技師教育施設協議会」のWEBページをご確認ください。
放射線に関する知識の他にも、生理学や解剖学などの医学知識が必要な診療放射線技師。高性能な機器を使って人の命に関わる検査をするので、常に注意深く仕事に取り組める人が向いています。
また、医療は常に進化していくので、診療放射線技師になってからも新しいことに対して柔軟に受け入れ勉強し続けることが必要な仕事であるといえるでしょう。
患者の体を傷つけずに検査や治療ができるので、これからの医療現場でも現在と同じようにに必要不可欠な存在でしょう。
診療放射線技師になるためには国家試験のハードルを超えなくてはなりませんが、手に職をつける働きがいのある仕事といえますね。
この記事では、診療放射線技師の仕事について詳しく紹介します。放射線技師になるまでの道のりや給料なども合わせて紹介しているので、将来の職業として「診療放射線技師」を目指す時のヒントになれば嬉しいです。
5分で「診療放射線技師」について知れる記事です。ぜひ最後まで読み進めてください。
アイキャッチ画像出典:「https://pixabay.com/vectors/doctor-xray-skeleton-radiologist-5919738/」
目次
- 診療放射線技師は「放射線を扱う専門家」
- 診療放射線技師の仕事内容
- 診療放射線技師になるためには国家資格が必要
- 診療放射線技師が働く4つの場所
- 診療放射線技師の主な働き方4選
- 【診療放射線技師の働き方①】総合病院で働く
- 【診療放射線技師の働き方②】診療所で働く
- 【診療放射線技師の働き方③】検査施設で働く
- 【診療放射線技師の働き方④】一般企業で働く
- 診療放射線技師の給料は「平均549万円」
- 診療放射線技師の被曝は大丈夫?
- 診療放射線技師になるための道のり
- 診療放射線技師に向いている人
- 放射線を扱う専門家「診療放射線技師」のまとめ
診療放射線技師は「放射線を扱う専門家」
診療放射線技師とは、ひと言でいうと「放射線を取り扱う専門家」。「レントゲン技師」や「放射線技師」とも呼ばれていますが、正式名称は「診療放射線技師」です。病院や診療所で医師の指示をもとに放射線を使い検査や画像診断、治療に携わる仕事をしていて、「レントゲン」「CT」「MRI」といった検査などは全て診療放射線技師が担っています。
放射線を取り扱うには特別な注意が必要なので、医師と歯科医師以外に人の体に放射線をあてることが認められているのは「診療放射線技師」だけ。まさに、放射線を取り扱うスペシャリストといえるでしょう。
診療放射線技師の仕事内容
診療放射線技師の主な仕事内容は「検査」と「治療」の2つです。医師の指示をもとに放射線を使った様々な検査を行ったり、医師の診断や治療のサポートをしたりしています。診療放射線技師の仕事「検査」
- X線撮影(レントゲン撮影)
- 肺の病気を調べる検査
- 心臓や大きな血管も写るので、それらの病気に関する情報も知れる
- CT検査
- 大きな円筒形の機械に寝た状態で入り、様々な方向から検査したい部分に放射線をあて撮影を行う検査
- 体の内部を多方向から見ることで、一般撮影だけで分からない病気を見つけられる
- 血管造影検査
- 造影剤を使って血管に影を作り、血管の形や血流の状態を撮影する検査
- マンモグラフィ(乳房撮影)
- 乳房に腫瘍があるかどうか、腫瘍の大きさや形、石灰化の有無を調べる検査
診療放射線技師の仕事「放射線”なし”の検査」
- MRI検査
- 磁石で出来た大きな筒状の装置に寝た状態で入り、あらゆる角度から体の断面を撮影する検査
- 脳や血管など柔らかい組織の検査をする時に適している
- 超音波検査
- 超音波を使って体の中を観察したり撮影したりする検査
- 放射線を使わずに体の臓器や、心臓や血管、甲状腺などの検査が行える
診療放射線技師の仕事「治療」
- 放射線治療
- 癌の三代療法の一つ
- 体に傷をつけずに病気の部分を治療することができる
放射線による健康被害を出さないために、検査時に患者が浴びる放射線量を管理したり、機器や装置の点検などを行っています。
診療放射線技師になるためには国家資格が必要
診療放射線技師になるためには、国家資格である「診療放射線技師免許」が必要です。なぜかというと、放射線の取り扱いには専門的な知識と技能が必要不可欠だからです。また、診療放射線技師免許を取得する国家試験は知識があれば誰でも受験できるというわけではありません。
国家試験の受験資格の条件は、文部科学大臣、厚生労働大臣、都道府県知事が「指定」または「認めた」診療放射線技師の養成所で、3年以上診療放射線技師として必要な知識及びスキルを修了した人
国家試験は1年に1回で2月に行われ、診療放射線技師の国家試験の合格率は「75〜85%」ほどといわれています。
診療放射線技師が働く4つの場所
診療放射線技師が働く場所は主に「病院」や「診療所」です。勤務先として多い4つの施設を紹介します。診療放射線技師の勤務先
- 総合病院
- 診療所
- 検査施設
- 一般企業
しかし、それぞれの働く場所によって教育体制やワークライフバランスの取りやすさに違いがあるので、自分の希望に沿った働き方ができる施設がどこか考える必要が出てきますね。
診療放射線技師の主な働き方4選
診療放射線技師の働き方は、基本的に放射線を取り扱う「検査」と「治療」の2つ。診療放射線技師の勤務場所は主に4つありますが、一般企業で働く以外には働き方に大きな違いはありません。【診療放射線技師の働き方①】総合病院で働く
中〜大規模の総合病院で働くと、様々な症例に触れながら診療放射線技師に必要な知識やスキルを幅広く身に付けることができます。また、総合病院の放射線科は技師の育成方針がしっかりしているので、最初の数年で段階を踏みながら診療放射線技師が行う全ての検査を経験することが可能。
国立病院や大学病院などの大きな病院であれば、最新の診療技術に触れることができるのも魅力の一つです。
ただ、急病患者の検査や治療に備えて、月に数回の当直があり仕事とプライベートのライフバランスが取りづらいかもしれません。
【診療放射線技師の働き方②】診療所で働く
クリニックや診療所で働くと、胸部のX線撮影、CT検査、MRI検査、消化管造影検査が中心。婦人科の場合は乳房X線撮影、整形外科の場合は骨密度検査など、診療科目によって検査に偏りが出ることもあるでしょう。
診療所で働く人数が病院よりも限られているので、本業以外の事務作業を任されることがありますが、一般的には残業が少なく当直もないので働きやすいといわれています。
【診療放射線技師の働き方③】検査施設で働く
病院の健診や保健所などの検査施設で働くと、胸部や乳房のX線撮影、CT検査、MRI検査、消化管造影検査が中心。場合によっては、施設内だけではなく検診車で企業や学校を回って働くこともあります。
大きい病院の健診だと最新機器を使いながら高度な専門性を求められる検査に携わることもできますね。
残業が少なく仕事とプライベートのライフバランスが取りやすいです。
【診療放射線技師の働き方④】一般企業で働く
診療放射線に関する知識を活かして、一般企業で働く診療放射線技師もいます。勤務先としては、医療機器メーカーでアプリケーションスペシャリストとして働くのが最も多いケース。アプリケーションスペシャリストは、医療機器メーカーの営業が製品について説明しきれない部分を専門知識をもとに説明のサポートを行う人のこと。
その他の一般企業としては、電力会社や原子力関連企業、大学の研究室などで働く診療放射線技師もいます。
診療放射線技師の給料は「平均549万円」
診療放射線技師の平均年収は549万円です。この年収は「平均年齢が41.4歳」で「勤続年数が13年」であることをもとに算出しています。参考:「診療放射線技師の求人・転職支援サービスの診療放射線技師JOB」
診療放射線技師の平均年収「549万円」 | |
月給 | 37万円 |
賞与 | 101万円 |
また、20代前半の平均年収は389万円、20代後半の平均年収は433万円です。診療放射線技師の給料は勤続年数の長さや、昇給によって大きく異なってくることが分かります。
勤めたばかりの時は年収が低くても、勤続年数が長くなるほど、昇給が見込めるので年収が高くなりますね。
診療放射線技師の被曝は大丈夫?
「放射線」と聞くと危険なイメージがありますよね。仕事をする上で被曝するリスクはあるのでしょうか。診療放射線技師は、放射線を扱う仕事なので被曝のリスクはあります。しかし、安全管理をした上で業務をしているので被曝の危険性は低いです。
なぜなら放射線は一定量を一気に被曝するとリスクが高くなりますが、「量が少ない時」や「長い時間をかけてゆっくり被曝する時」は大きな影響はないからです。
毎日放射線を取り扱う仕事とはいえ、放射線の被曝について過度に心配する必要はないでしょう。
診療放射線技師になるための道のり
診療放射線技師になるためには、国家資格である「診療放射線技師免許」が必要です。「診療放射線技師免許」を取得に向け国家試験を受験するには、高校を卒業後、診療放射線技師の養成校に進学して決まったカリキュラムを修了する必要があります。
診療放射線技師の養成校は「4年生大学」か「3年生専門学校」の2つ。診療放射線学科、放射線技術学専攻などという学科でカリキュラムを修了します。
診療放射線技師に必要な知識やスキルを養成校で学ぶだけではなく、実習先で実際に医療現場を体験したり、先輩の診療放射線技師と関わり将来の技師像を描くことができます。
診療放射線技師の養成校については「全国診療放射線技師教育施設協議会」のWEBページをご確認ください。
診療放射線技師に向いている人
診療放射技師の仕事内容を踏まえて、向いている人の特徴を3つ紹介します。診療放射線技師に向いている人
- 理系の勉強が得意な人
- 注意力が高い人
- 様々な分野において常に勉強し続けられる人
また、医療は常に進化していくので、診療放射線技師になってからも新しいことに対して柔軟に受け入れ勉強し続けることが必要な仕事であるといえるでしょう。
放射線を扱う専門家「診療放射線技師」のまとめ
診療放射線技師は「放射線を取り扱う専門家」です。病院や診療所で医師の指示をもとに放射線を使って検査や画像診断、治療に携わる仕事をしています。患者の体を傷つけずに検査や治療ができるので、これからの医療現場でも現在と同じようにに必要不可欠な存在でしょう。
診療放射線技師になるためには国家試験のハードルを超えなくてはなりませんが、手に職をつける働きがいのある仕事といえますね。
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